制服本の本棚(紹介と感想)

制服本の本棚(紹介と感想)

コミケ戦利品の制服本を紹介します。時々は商用本も紹介したい。私の備忘録要素強めです。

Uniform anatomy@TKG

「Uniform anatomy@TKG」
Uniform-holic/月城さくら
2016年12月(C91)初版

横浜市の私立女子校、高木学園女子のみ丸々一冊の制服本。過去に同様の本だと東京女学館の制服本くらいしか思いつかない。ちなみに作者の前作はフェリス&横浜隼人の二校比較で、本のスタンスは制服に関する情報量で勝負!ということらしい。

というわけで、非常に抑えが効いたクールな表紙を開けて読み進めてみる。表紙は現行制服が前面に出ているのだが、これがまたかっこいい。良いデザインです。

1908年(明治41年)から、1928年(昭和3年)、1993年(平成5年)、2010年(平成22年)と四世代に渡りイラストで制服紹介されているのですが、その制服全て(!)に詳細な解説が付与されている。これは驚異的で、時代を遡るほど写真も情報も乏しい中、よくぞ調べました、という出来栄えです。よほど文献を紐解いたのでしょう。初代制服から二代目制服で採用されていた金属のベルトバックルかっこいいな。時代の流れとは言え、制服は決して古臭くないと思うのですがモデルチェンジは寂しいですな(跡見学園の制服をフラッシュバックで思いつつ)。

三代目はブランド制服。そして現行制服に至るのですが、エンブレムの変遷の解説など本当に痒いところに手が届く内容ですね。コート、カバン、靴下など指定品全てに目配りしており、その情報量に圧倒されます。現行制服になれば情報量も増え、在校生かと思うほどチェックパターンなど詳細な言及があったり脱帽です。ひょっとしたら生徒さんより詳しいかも知れないですね。

高木学園女子と言えば、袖口に入る3本のピンタックです。2代目はジャケットのセンターにも入っていて、現在はありませんが、袖口のピンタックは健在。ブランド制服以後もアイデンティティとして残す点は、学校制服として大変評価したい点です。ほぼ文句のつけようがない本書ですが、唯一の心残りは3本のピンタックの由来が調べきれなかったこと。一本は横浜を表しているそうですが、残りは不明だとか。どこかで確認されたら、作者さんのアップデートを期待したいと思います。

タイトルの通り、特定の学校制服の解体新書な訳ですが、作者さんの狙いは十二分に伝わっていると言えるでしょう。学術的な意味でも資料価値は高く、この角度からのアプローチが制服本としてあるんだ、と是非とも読んでいただきたい一冊です。願わくば、色々な作家さんが自分のお気に入りの学校制服を本書のように解体新書して欲しいですね(他力本願)

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